友達と会社をやらない方が良い理由

起業をするとき、気の合った仲間と、ずっと仕事ができたらステキです。しかし、実際にはそのようなケースはうまくいかなくケースが多々あります。

ビジネスがうまくいかなくなるどころか、友人関係すら崩壊しかねない友人との起業について、なぜうまくいかないのか、どうしたらうまく行くのかについて紹介しましょう。

決断が鈍る

企業を経営すると、ビジネス上の判断や決断をするケースが多々あります。また、それによって大きく会社の体制が変わってしまったり、大きなお金が動くことだったり、また経営が危機に陥るようなケースがあります。

そのような決断をするとき、常に自分と友人が同じ意見であれば問題はないのですが、所詮は他人同士。どんなに仲が良くても、なかなかそのように意見が合うことはありません。すると、どうしても判断が鈍っていきます。

責任の所在が曖昧になる

前と関連しますが、そうして判断がもし間違いだった場合、経営が傾いたり、大きなトラブルに発展したりすることがあります。特に会社の場合は相手から、損害賠償を請求されたり、入ってくるはずの売り上げが入ってこなかったりなど、お金の問題に直結することもあるでしょう。

そんな時、友人と話し合って決めた判断だとどうしても、相手の責任を追及したくなってしまいます。

歳をとると価値観が変わる

若いうちはそれでも、衝突しながら仲良くやっていくケースもありますが、歳をとっていくうちにお互いに価値観が変わっていきます。時には、仕事に対する情熱や他のことへ興味を移るなどもあります。すると、自分の情熱に答えてくれない友人をもどかしく思ったり、逆に自分の興味が他に移っているのに、友人が現場にしがみつこうとする姿にイライラすることもあるでしょう。

関係を解消しにくい

では例えばそうしてうまくいかなくなった場合、もし起業時に自分と友人が同じような力関係で起業してしまっていると、どちらが会社を辞めるのか、どちらがその後の事業を引き継ぐのかで大きなトラブルに発展します。株式会社の場合は、株の持ち分を変えるために買い取ることや登記の変更手続きなどが必要になり、資金や煩雑な手続きなども必要になってきて、最悪会社自体が解散といった事態にもなりかねません。

それでは、友人と会社をやる時にうまく立ち回るにはどうしたら良いでしょうか。

代表者を決める

まずは、代表者を明確に決めます。会社を登記する際は、株式会社なら「代表取締役」、合同会社なら「代表社員」となります。この時、どうしても仲が良い間は「同じような立場、肩書きでやっていこう」などと相手を引き上げてしまいますが、これがのちにトラブルになる可能性があるため、1人が代表になったらもう1人は、「部下」にならなければなりません。

代表者は部下の意見をよく聞いたり、登用したりするのは構いませんが、最終的には代表者が1人で決断するべきです。

株の持ち分比率を変える

株式会社の場合、株の持ち分は代表者が多く持ち、少なくとも50%以上保持するようにしましょう。友人と万が一トラブルになった場合も、法的に自分の判断で相手を辞めさせることができます。

報酬は代表者が多く取り、代わりに責任も代表者が負う

代表者と部下は報酬に差をつけるべきです。代表者は部下よりも多く報酬を受け取りましょう。その代わり、会社に何かあった時も部下となる友人には一切の責任はありません。もし、友人の意見を代表が登用した結果、会社に大きな損失が出たとしても、全て代表者の責任で処理をしましょう。

尊敬できる相手と仕事をしよう

友人と仕事をする場合でも、「仲が良いから」という理由で一緒にやるのではなく、自分にないビジネスセンスがあるとか、自分ではできない業務ができる、例えば自分はコミュニケーションスキルが弱いが、友人は人付き合いがうまく営業職に向いているなど、自分にないものを持っている相手と仕事をするようにしましょう。

同じようなスキルの相手と仕事をしてしまうと、どうしても差が生まれてしまいます。もし、自分が相手よりも仕事ができる場合、相手のことをどこかで蔑んでしまいますし、逆に自分の方が劣っていることが分かった場合、素直に相手を尊敬できる相手になるか、それともライバル心を燃やしてしまうかで、その後の関係がうまくいかなくなる場合もあります。

人は、年を追うと変わっていくものです。仲の良い友人とは、あえてある程度の距離感を保った方が、その関係が長続きすることもよくあります。本当に、その相手と一緒に仕事をしたいのか、ビジネスパートナーとして信頼・尊敬できるのか。改めてドライに判断をしてから誘うようにしましょう。

少しでも自信が揺らぐなら、素直に1人で起業をして時期が来たら、友人を誘うなどをしても良いでしょう。