ともすたmedia
フリーランスになると、自由な生活を手に入れられる代わりに、社会的な信用力が落ち、「クレジットカードが作れない」「住宅ローンが組めない」といった不便さをしいられます。
筆者の場合、今は持ち家ですがやはり、住宅ローンを組むまでには5年に渡る周到な準備が必要でした。ここでは、経験談を交えてフリーランスが住宅ローンを組む時に障害となる事を紹介しましょう。
事業を始めて3年経っていない
まず、フリーランスになりたての場合はそもそも住宅ローンが組めないと考えて良いでしょう。(ただし、これは転職した場合も同様かもしれません)
このあと紹介しますが、ローンの審査には過去3年分の決算書や確定申告書が必要になるため、これが準備できない間はそのそも考えることができません。
消費者金融などに返済遅延がある
もしも消費者金融に借り入れがある場合などは、返済遅延だけは絶対にしないようにしましょう。また、自動車ローンや携帯電話の分割払いなどにも要注意です。また、一部の情報では「クレジットカードを作りすぎていると危険」といった情報もありました。筆者の場合は、一応使っていなかったカードだけ、この機会にと解約してから挑んだのですが、それが結局有効だったのかどうかは分かりません。
日常的に使っているカードを無理に解約する必要はありませんが、身辺整理として見直してみても良いでしょう。
過去3年間に赤字がある
筆者が、住宅ローンを組むのに5年もかかったのが、この理由です。基本的に住宅ローンは、過去3年分の決算書(経営者の場合)、確定申告書がクリーンな状態、つまり黒字で健全な数字になっていなければ審査に通りません。
筆者はこれが一時期赤字だったため、その赤字の決算書が不要になるまでの間、時間を要することになりました。
頭金が1割未満
サラリーマン向けのローンの場合、「頭金0円」のローンや「諸経費込みローン」など、手元にお金がほとんどなくてもローンを組むことができます。
フリーランスの場合は、銀行のローンは審査に通りにくいため、この後紹介する「フラット20/35」という住宅ローンを利用することが多くなります。一応フラットも頭金がなくても借りられますが、審査などに通りにくい場合もあるようです。
以前の制度に習って、1割の頭金を、さらにできれば 3割くらいは自分で準備したほうが良いでしょう。5,000万円の物件なら、1割で500万、3割で1,500万。なかなかの金額です。
収入が少ない
そもそも、役員報酬など収入が少ないと、ローンが組めません。収入を上げるか、もし配偶者がいる場合で配偶者にも収入があり、理解が得られる場合は「収入合算」によるローンを検討すると良いでしょう。
ただし、連帯債務にする場合、1点注意が必要です。
団体信用生命保険に注意。オプションを設定するか、個別の生命保険に入るべし
住宅ローンを組む場合、大抵セットで「団体信用生命保険(団信)」に入ります。これにより、もし債務者が死亡した場合に住宅ローンが免除されます。
ただし、配偶者と収入合算してしまった場合、主に債務を支払っている側が死亡してしまった場合でも、ローンの全額は免除にならないケースがあります。そのため、団信の団信には加入せずに、別途住宅ローンが全額支払い程度の生命保険などに入っておくほうが良いでしょう。
フラット35とは
フラット20 / 35とは「住宅金融支援機構」という組織が運営している住宅ローンです。次のような特徴があります。
変動金利がなく、固定金利のみ
ローンには、年ごとなどで金利が変化する「変動金利」と、契約時の金利からずっと変わらない「固定金利」があります。通常、変動金利の方が金利は安くなりますが、フラット35の場合は固定金利しか選ぶことができません。
銀行から申し込むが、内容はほとんど変わらない
フラット35の申し込みは、各銀行窓口または、住宅ローンを専用で扱う「モーゲージバンク」と呼ばれる金融機関で行いますが、その商品内容はほとんど変わりません。その銀行に口座を持っているからなどで条件が有利になったりすることもほとんどないようです。
なお、耐震性や省エネ住宅など、一定の条件を満たすと金利の優遇を受けられる「フラット35S」や子育て支援、地域支援などの制度もあるため、よく調べて検討すると良いでしょう。
退職前なら会社員の間に組むことがおススメ
もし、この記事を読まれている段階ではまだフリーランスになっていない、退職しようと考えている場合には、退職前にローンを組んでしまうことを強くお勧めします。3年以上の勤務実績があれば、かなり通りやすいと言えます。
以上、フリーランスが住宅ローンを組む時のポイントを紹介しました。これを読んで「家を買うのは大変すぎる、賃貸で十分」と考えられる方もいるかもしれません。もちろん、いろいろな考えがありますが、歳をとってから引っ越したいと思ったとき、フリーランスが賃貸契約を結べる保証もありません。また、歳をとってから住宅ローンを組もうとすると、ますます条件が厳しくなり、現金で一括購入するしかないなども考えられます。
若いうちにしっかり将来設計を考えて、行動をした方が良いでしょう。