ともすたmedia

2020.04.03

プログラミングで仕事をするなら会社員→フリーランス→法人化がおすすめ

    記事を共有:

    • X
    • Pocket
    • クリップボードにコピー

    春になると新しく社会人になる方や、何年目かの社会人生活を終えてフリーランスになろうと考えている方もいらっしゃいますよね。そんな方の参考になればと思います。

    プログラマーで仕事をする時の働き方は3タイプ

    プログラマーで仕事をする時の働き方については、以下の3つがあります。

    1. 会社員
    2. フリーランス
    3. 法人設立

    この3つのうちどれがいいのかということですが、これは答えがありません。メリット・デメリットがあり、どれが良いかは人それぞれ異なります。

    プログラマーはフリーランスがオススメ?

    最近では、いわゆるインフルエンサーと言われる方々が「会社員は社畜だ」と言っており「フリーランスがおすすめ」と煽っている動画があります。

    けれども、そうとは限りません。会社員には会社員のいい所があります。僕も時々、会社員に戻りたいと思うこともありますが今の状態を続けています。

    働き方の話をする前に、プログラミングの仕事にするにあたり仕事のスタイルを考える必用があります。

    プログラマーの仕事のタイプ3つ

    プログラマーの仕事のタイプとしては、大きく以下の3つに分けられます。

    1. 受託制作
    2. サービス開発
    3. 派遣・常駐

    厳密には他にもありますが、だいたいこの3つに分かれます。

    会社員・フリーランス・法人設立のどれが良いかを考えることは、この3タイプと密接に関わっています。どの仕事を選ぶかによって「これなら会社員がいいよ」とか「これならフリーランスがいいよ」という結びつきもあります。

    ではこの仕事のタイプについて紹介していきます。

    プログラマーの仕事1:受託制作

    まず受託制作について。これは企業や個人のクライアントから、「ホームページを作ってください」とか、「このような形で社内システムを作ってください」とか「こういうアプリを作ってください」という形で、依頼されたものを開発し納品する仕事です。もしくは運営を請負いながらサービスや保守をしていく形の仕事です。

    受託制作の仕事内容

    受託制作の場合は、クライアントさんの種類によって色々な案件があります。

    • アプリ開発
    • ウェブ制作
    • 1~2年をかけて大きなシステムを組む

    こういった形で色々な仕事ができるので、すごくやりがいがあります。僕も18年くらい受託制作を行ってきました。

    受託制作の悩み

    受託制作の悩みは、仕事量に波があるという点です。

    受託制作は全く仕事が安定しません。例えば「今月は100万円儲かった。けれども来月は0円かも知れない」ということもあります。

    本当に仕事がなくなると2~3ヶ月間全く収入がない、または数万円しか収入がないというのが往々にしてあるので、年間計画を立てることや、将来を見越した生活の組み立てが非常に難しいのが受託制作の悩みです。

    プログラマーの仕事2:サービス開発

    次にサービス開発について。サービス開発にはハードウェア開発や人工知能の研究とかも含まれています。いわゆるクライアントがいない中で、自社で行っていくのがサービス開発というものです。

    サービス開発の仕事内容

    • サービスを開発・提供する
    • ウェブサイトを運営する
    • 商品を販売して収益を得る

    サービスにもよりますが、1回の取引はすごく少額でもお客さんが増えどんどん積み重なっていくと、毎月ある程度の安定した収入を得ることできます。しかしそのままでは収入が段々と右肩下がりになっていくので、新しい商品を販売したりサービスをテコ入れしたりして新規入会を維持していく努力が必要です。

    受託制作に比べると「来月収入が入ってくる見込みがない」という状況になることが少ないです。ただしサービス開発の立ち上げには結構パワーが必要です。一生懸命頑張って立ち上げて、ある程度するとやっと安定してくる感じですね。

    サービス開発の悩み

    ただしこのサービス開発というのはYouTubeをイメージしてもらえばわかりやすいですが、毎日淡々と同じ作業をしていくことになります。何かサイトを立ち上げてその収益でやっていく場合でも、基本的にはサイトを一生懸命保守していくという作業がありますので、あまり刺激がない可能性があります。

    プログラマーの仕事3:派遣や常駐

    最後は派遣や常駐です。僕は4年間会社員として働き、その後会社を辞めて独立してすぐの頃にしばらく常駐案件を行っていました。

    派遣や常駐の仕事内容

    派遣や常駐は、その会社の社員と同じ時間に出社をして作業をして帰るという働き方です。ただこの場合、雇用形態が社員と違うので、保険に入れないとか交通費がでないとか待遇に違いがありますが、働き方としては会社員の皆さんと一緒です。

    派遣や常駐の悩み

    仕事の内容や待遇は派遣先によって違ってきます。受託制作の会社に派遣されているのか、サービス開発の会社に派遣されているのか、または常駐しているのかといったことで違ってくるので、派遣は当たり外れが大きいです。

    待遇がいい会社に派遣されて常駐することになれば、すごく働きやすくていいです。

    このような3タイプの仕事の中で、会社員、フリーランス、法人設立という選択肢があります。それぞれを紹介していきます。

    プログラマーの働き方1:会社員

    まずは会社員について。会社員はお分かりの通りですが比較的安定しています。もちろんリストラやクビもありますが、アメリカとかに比べると日本はかなり会社員という仕事は安定しています。

    会社員のメリット

    • 税制優遇
    • 住宅ローンが組みやすい
    • 社会的な信用がある。

    という事実があります。そのため、会社員になるのが普通だと言われているのが今の日本です。

    会社員のデメリット

    ただ会社員というのは、以下のように色々なデメリットがあります。

    • 通勤時は満員電車に乗らなければならない
    • 地方転勤がある
    • 勤務時間に縛られている
    • 会社の規則の従うこと

    ただ、今の会社員。特にIT業界はかなり自由に働ける業界の一つです。通勤に関しても、フレックスタイム制も増えています。フレックスタイム制とは、ある出勤時間(コアタイム)までに出社していれば始業開始は何時でもOKですし、自分が働くべき時間分まで働けば、コアタイム以降であれば好きな時間に帰ってOKという制度もあります。

    こういった制度があれば、通勤の満員電車を避けることもできますし、在宅勤務ができる会社も多いので、そういった意味では自由な働き方ができる業界です。

    会社員の仕事内容

    会社員の仕事内容は多彩です。受託制作もできますし、サービス開発の会社に入ることもできます。派遣や常駐ももちろんできるということです。ただ、派遣や常駐の会社に会社員として入るのは、あまりメリットがないです。これはある程度期間を決めて働いたら、あとは転職や独立をすることを考えた方がいいです。

    プログラマーの働き方2:フリーランス

    続いてフリーランスです。今流行っているキーワードです。

    フリーランスは非常に手軽に働けますし、手軽にできます。基本的なやり方は個人事業の開業届を役所に提出します。ただ通常は毎年3月の中旬に確定申告の締め切りがあります。

    確定申告とは「今年この位儲かったのでこのくらい税金納めます」というのを自分で申告する手続きのことです。確定申告をすることで、フリーランスとして働くことができます。

    フリーランスのメリット

    フリーランスは自由です。時間の縛りもないですし働く場所も自由です。どんな仕事をしてもいいということで非常に気楽です。うまく仕事が軌道に乗ると会社員と違って収入もぐっとアップする可能性がもちろんあります。

    フリーランスのデメリット

    フリーランスのデメリットとしては、確定申告の手続きが面倒くさいのと、収入が極めて不安定という点です。独立の方法としては受託制作をフリーランスとしてやるのが一番手軽ですが、これも非常に不安定です。

    特に年をとってきた場合です。年を取るごとに「これからどうしていこうかな」と身の振り方を考える事が多くなり、不安になる時もあります。

    フリーランスの人にとって受託制作は非常にやりやすい仕事ですが、受託制作というのは中々大変な仕事のスタイルです。

    そのほか、派遣会社にフリーランスという形で所属してそこから派遣されるとか、その会社に自分が常駐する仕事のスタイルもあります。

    でもこの形態だと、派遣先の会社員になっていることとあまり違いがありません。雇用形態が違うだけになってしまうので、そのままこの会社に転換する方も多くいます。

    フリーランスの場合、サービス開発はやりにくいと思います。たとえばWordPressのテーマを販売して生計を立てている方や、何かを販売して生計を立てることはもちろんできます。ですが、大きなサービスを開発してそれを運用する形になるとフリーランスでは難しいところがあるので、この後紹介する法人設立を行うケースが多いです。

    プログラマーの働き方3:法人設立

    法人設立というと難しく考える方が多いかもしれないですが、法人になるのはそれほど難しくはありません。

    登記という手続きを法務局で行います。通常は行政書士にお願いするのですが、勉強すれば自分で登記手続きを行うことができます。

    法人設立をするメリット

    20~30万円のお金はかかりますが、法人を設立することによって税金が法人税となるので節税になることが多いです。

    確定申告を行う個人の所得税よりも法人税は税金が低くなることが非常に多いので、収入が多ければ多いほど、法人にして法人税として支払って、自分の所得を少し抑える方が全体的に収益が上がります。

    法人設立のデメリット

    ただ法人税を納めるためには決算手続きが必要で、決算書を作らなければいけないのですが、この決算書は自分で作るのは不可能です。これは税理士資格を持っている方が計算をしてハンコを押さないと決算書が出来上がりません。この決算書を作るのに税理士報酬が発生します。これが大体年間20万~30万円位かかります。

    その法人税は、例えばどんなに赤字の会社であっても最低でも8万円~10万円発生します。利益が出れば出るほど、半分まではいかないのですが大体30~40パーセントは税金として取られることになります。こういうところで非常にお金がかかります。

    法人設立後の仕事スタイル

    法人を設立してしまえば、これで何をやってもOKです。受託制作もできますしサービス開発をして会社規模を大きくしていくこともできます。資格は必用ですが派遣会社を自分でやってもOKです。自分を派遣することもできますし、誰かを雇ってその方を派遣する形で事業を行うこともできます。

    フリーランスと法人、どっちがいい?

    フリーランスか法人かどちらが良いかというのは、サービス開発をするとか人を増やすとかの計画があるかどうかで決まってきます。

    自分一人だけでデザインの仕事やちょっとしたプログラム開発をやっていくのであれば、フリーランスでもいいです。人を増やすとかサービス開発をするということになるとやはり法人化した方がいいです。

    節税対策の視点から考える

    あとは税金面を考えると、売り上げが1000万円に届かないのであれば、フリーランスのまま個人で確定申告をしてもそれほど損をすることはないのですが、1000万円を超えて売り上げが上がっているのであれば、法人化をして自分の役員報酬を受け取るようにして、法人税と所得税を支払っていく方が、税金が安くなり節税につながります。

    将来性の視点から考える

    またフリーランスというのはとにかく不安定な形態なので、年をとって40代、50代になってフリーランスのままでいるというのは、不安はあります。

    そこで法人化をしていきます。たとえば夫婦であればと妻と夫で、その会社の取締役になり、うまく切り盛りしていくいうのも有りです。

    仕事の内容から考える

    この記事を読まれている方はプログラミングを学習されている方が多いと思いますが、プログラマーは意外にフリーランスにはあまり向きません。

    フリーランスに合う職種というのは、デザイナーとかコンサルタントとかライターとか1人で完結できる職種です。

    プログラマーは一人でフリーランスになっても、受託案件はなかなか取れないのです。対策は会社を起こしてチームを組むことです。例えば、デザイナーとプログラマーとフロントエンドエンジニアもしくはサーバエンジニアなどある程度の職種をそろえて、「一括で弊社にお任せいただけます」という形にする必用があります。一人のプログラマーにプログラム開発の仕事がくるというのはあまりなく、開発の仕事をする場合にはその会社に常駐するプログラマーが多いです。

    仕事のとり方から考える

    どんな仕事をもらうかは営業力にも関係してきます。技術力よりも営業力という話です。プログラマーやデザイナーなど技術力はものすごく高い方でも、営業力が無くて仕事を得られないケースがとても多いです。

    • 勉強会に積極的に出席して顔を広げていく
    • ブログを書く
    • ツイッターで情報発信する

    などアウトプットをしていかないと自分の存在をなかなか知ってもらえないので、なかなか仕事が入ってきません。このあたりが難しいところですね

    プログラマーにおすすめのキャリアプラン

    おすすめのキャリアプランですが、おすすめするキャリアプランの例は、まずは会社員。特に今この記事を読んでいただいている方で若い方は、一回は会社員をやっておいたほうがいいです。

    まずは会社員

    自由に働きたいと考えているかもしれませんが、会社員をやってみるととてもメリットがあります。いろいろ吸収できることも多く社会常識を知ることもできますし、お客さんとの接し方や仲間とのコミュニケーションのとり方など色々なものを吸収できるます。とにかく2年、3年やってみて勉強してから独立するのが僕としてはやはり一番いいかなと考えています。

    その後はフリーランス

    その後はいきなり法人を作ってももちろんいいのですが、やはり失敗するリスクを考えるとフリーランスの方が失敗した時のデメリットが少ないです。会社は一回立ててしまうと潰すのもまた非常に大変です。倒産手続きをするのもすごく大変です。

    フリーランスをしていて、「やはりもう一度と会社に戻ろう」という時はフリーランスの屋号は残したまま、会社員としての雇用形態で働いていくこともできます。

    フリーランスを一度始めて収入が上がってきて1000万円を超えたら法人を作る形にするとか、サービス開発をしてうまく軌道に乗りそうになったら法人にするとか、そういった形でキャリアアップを図っていけばいいと思います。

    「フリーランスに疲れたな」と思いもう一度会社員として働いてみるのであれば、一度会社員に戻ってまたフリーランスになるという具合で働いていくのもひとつの方法です。

    まとめ:まずはプログラミングを楽しく勉強しよう

    この記事でお伝えしたかったことは、「フリーランスになりましょう」とか「独立しましょう」ということよりも、プログラミングをまずは楽しく勉強していただきたいということです。勉強していく中で、仕事にできそうだなと思ったら会社員になり、その後フリーランスになる形で成功していくのはすごくいいことだと思います。

    あまり、「フリーランスおすすめ」のような煽りに乗せられて焦って思い切ったことをしないで、一歩ずつ着実に進んでいってもらえたらと思います。

    一覧に戻る