プログラマのためのPC/スマホ/タブレットの選び方 2022年度版

春になって、これから新しく学習用、仕事用にコンピューターを揃えたいという方も少なくないでしょう。

WindowsかMacか、iPadは買うべきか。さまざまなデバイスが登場していて迷ってしまいます。そんなときの1つの指針として、筆者のおすすめデバイスを紹介していきましょう。

筆者の紹介

まずはその前に筆者の環境を紹介しておきましょう。

筆者はプログラマーとして働き出した当時は、Windowsを使っていましたが2002年頃に「Mac OS X」に触れてからMacに惚れて、ずっとMacユーザーでした。しかし、2016年頃にWindows 10が登場して、今度はWindowsに惚れてWindowsに戻り、さらに2021年頃からM1 Mac(後述)に惚れてMacに戻りました。

元来、無類のデバイス好きで、目新しいデバイスをどんどん買ってしまうため、今も手元にWin/Mac、iPhone/Android、iPadにChromeOSタブレットとAndroidタブレット、Apple WatchにAndroid Wear Wachといった具合に、思いつく限りのデバイスがあります。

そんな筆者の環境で、生き残ったデバイスについて紹介していきましょう。

PCならM1 Macのノートタイプ

PCは現在、Windows 11のマシンと、Windows 10のマシン、そしてM1 MacとIntel Macという選択肢があります。

Windows機を普通に買うと、Win11のマシンになるのですが、これは正直オススメできません。

筆者は、Windows 10の時はMicrosoft Surfaceシリーズを好んで使い、Pro/Laptop/Book/Goなどあらゆるデバイスを購入するほどのファンでした。が、M1 Macの発売と同時にMacに戻ってしまいました。

そして、Windows 11がリリースされたとき、プリインストールされたSurface Go 3を購入して利用していたのですが、あまりのできに絶望して、当面Windowsは利用しないぞと心に誓いました。

Windows 11は、Windows 10の劣化版といえる存在で、macOSに近付けるあまりにWindowsの良さを殺してしまったOSといわざるを得ません。PCとしてもタブレットとしても使いにくく、もはや使い物にならないOSでした。

ということで、2022年の現在おすすめするとしたら断然macOSになります。macOS自体は良くも悪くもなっていない、オーソドックスなバージョンアップを遂げているのですが、新しいプロセッサーであるM1のできがあまりにもすごいです。

Macを選ぶなら断然M1

M1とは、Appleが開発したプロセッサーです。従来MacはIntel社のプロセッサーを採用していて、現在もIntelモデルも販売はされていますが、主力モデルは続々とM1に移り変わっています。

M1の魅力は、CPUやGPUなどを統合した複合プロセッサで、メモリとも深く連動して動作するため、コンピューター全体として非常に効率よく動作し、動作速度が速くて消費電力が少ないのが魅力です。

M1 Macになってから、外出先で充電をしなければならないという事態に遭遇することはほぼなく、休日に自宅で利用するときもほぼ1日中充電なしで利用する事ができるほど、バッテリーが長持ちするようになりました。

発売当初は対応アプリが少ないとか、Parallels DesktopでWindowsを動作させると英語版しか動作しないなど、プロセッサーの変更に伴うアプリの対応状況で不便な点がありましたが、それも現在ではほとんど解消されていて、気にならなくなっています。

M1プロセッサーはその後も、MacやUltraなど劇的に進化を遂げていて、次のM2モデルというものの登場も待たれるという事で、非常に楽しみな存在です。とはいえ、今からM1 Macを購入しても開発作業などであれば、数年単位で現役を張れるので、今から購入しても問題はないでしょう。

形はノート型がおすすめ

PCには現在、デスクトップ型とノート(ラップトップ型)、そしてタブレットにキーボードが付属した2 in 1といわれる形があります。

私もこれまではタブレットとしても利用できる2 in 1である「Surface Pro」などを利用していたのですが、Macに移行するのに伴ってノート型に移行しています。実際、2 in 1とノートを比べた場合、やはりPCとしての使い勝手はノート型の方が高く、別途タブレットをサブマシンとして持ち歩く方が良いという判断になりました(タブレットについては後述)。

2 in 1の場合、タブレットとして使うときは良いのですが、キーボードを使いたいときに後ろにキックスタンドがせり出したりしてテーブルを余計に使ってしまったり、キーボードもペコペコして打ちにくい、膝の上などで操作しにくいなど、中途半端な存在でした。

唯一、Surface Laptopなどのノート型でかつ、スクリーンがタッチできるタイプは非常に便利でしたが、これもWindows 11がその良さを台無しにしてしまっている感じで、現在はMacBook/Airがベストな選択だなと感じています。

なお、デスクトップ型についてはゲームや動画編集などをしない限りは不要です。M1の場合、動画編集などもノート型でも十分な性能を持っています。

結論:MacBook Pro 14inch

ということで、結論としてはMacBook Proの14inchが現在のおすすめです。

M1 Macとしては他に、MacBook Airと、13inch/16inch MacBook Proという選択肢があります。16inchは大きすぎますし、Airや13inchは1世代前のモデルとなるため、これを狙うなら中古を探してみても良いかも知れません。

新品で購入するなら14inch MacBook Proが一番バランスが取れていて、数年は現役で使えるのではないでしょうか。標準でも24万円弱となかなかの金額なため、カスタマイズは難しいかもしれませんが、そのままでも問題なく利用できます。欲をいえばメモリを32GBに、SSDストレージを1TBにしておくと良さそうで、後は予算に合わせてプロセッサーをパワーアップしていくとよいでしょう。

スマートフォンはMac大好きならiPhone、Google好きならAndroid

次にスマートフォンです。スマホは、筆者もiPhoneとAndroidをほとんど常に持ち歩いてしまっていて、優劣がつけがたい状況です。

Macユーザーとしては、Macとの連携がしやすいiPhoneにも魅力がありますが、Googleの各サービスを利用しているユーザーとしてはAndroidも捨てがたいという印象です。いくつかそれぞれの特徴を紹介しましょう。

Face IDは相変わらず使いにくい

iPhoneの最大の欠点は認証方法がFace IDな点です。マスク時代においては、Face IDは非常に使いにくく、その後Apple Watchとの連携やOSのアップデートで、マスクでも認証が通るようにはなったものの、やっぱり使いにくいです。

それに比べて、Androidの場合は指紋認証やパターン認証がなどがあるため、サッと使いたいときはやはり非常に便利。最近は、Paypayなどでバーコード決済をする事も多く、とにかく開きやすいというのは非常に重要なポイントです。

iCloudをどこまで利用するかがポイント

iPhoneが優れている点としては、Macの各サービスと深く連携している点です。ノートアプリなども瞬時に同期されますし、近くにあれば通話をMacでうけたり、テザリングをワンタッチで行えるなど、スマホを意識しないで利用できます。

ただし逆に、筆者のようにGmail、Googleカレンダーを利用して、ノートはNotion、ファイルはGoogle DriveやDropboxという使い方をすると、iCloudが活躍できる場はほとんどなく、iPhoneの良さを活かすことができません。このあたりも、Androidの方が使いやすいと感じる点です。

なお、Android端末はピンキリがありますが、筆者はGoogle純正のPixelシリーズ一択です。最新の機能を余すことなく搭載していて、OSのアップデートもしばらく保証されているので、安心して使い続けることができます。

タブレットは、Androidタブレット

タブレットといえば、iPadといえるほどiPadの勢力は強く、逆にAndroidタブレットは一時期絶滅の危機といえるほど苦戦していました。

ただその後、GoogleからChromeOSというGoogle独自のプラットフォームが登場し、これを搭載した「Chromebook」という種類のコンピューターが新しい勢力として登場しました。

筆者も、Chromebookの端末を3つほど購入しましたが、正直現時点はかなり中途半端で、とても使いやすいとは言えず、今は倉庫の肥やしになっています。

iPadについては、iPad Proの初代と、iPad miniを所有していますが、ここ最近Androidタブレットが改めて少し元気を取り戻してきたため、筆者もXiaomiのXiaomi Pad 5を購入しました。これが非常にできが良く、現状ではAndroidタブレット一択になりました。

Kindle書籍が直接購入できる

筆者の場合、タブレットの利用用途のかなりを占めるのが、電子書籍の読書です。しかし、iOSでは現在Kindleの書籍が直接購入できず、ブラウザーで購入してからKindleアプリで読むという2段階が必要です。

これが非常に面倒で、読書はKindle FireというKindle専用端末を利用したりしていました。しかしそれもまた、普段持ち歩いていないなどで面倒になったりしていたのですが、Androidタブレットの場合はKindleから直接購入することができます。これが非常に便利。手放せません。

ペンで快適に描けるのがタブレットの魅力

タブレットで読書以外でやりたいことと言えば、ペンを使ってメモを取ったり図を描いたりするという用途です。iPadならこれについてはストレスがなかったのですが、Chromebookの場合はペンの精度やスクリーンの精度などで、満足で描ける端末がほとんどありませんでした。格安の端末はもちろん、10万を超える端末でもまったく快適ではありません。

その点、Xiaomi Pad 5のスクリーンは、5万円前後の端末とは思えない精度で、非常に快適に描くことができました。ペンは別売りで1万円程度しますが、筆者が購入したときはキャンペーンで無償で付属されてくるなど、至れり尽くせりでした。

iPadはデータの取り回しに難があり

筆者がiPadから離れてしまった原因の一つは、ファイルの取り回しが独特すぎる点でした。Dropboxなどからファイルを取りだして加工し、それをDropboxに保存したいといったときも、iPadの「ファイル」アプリからしか操作ができないとか、ファイルとして操作がしにくいなど、とにかく内部のしくみを隠すように作られているので、なかなか思うように使えませんでした。

しっかりと学習すれば、もう少しスムーズに使えるかも知れませんが、先のKindleが買えないとストレスもあり、Androidタブレットに移ってしまいました。

結論:Mac + Androidスマホ + Androidタブレット

ということで筆者の結論としては、Macを中心にAndroidスマホとタブレットというのが今の所のベストです。

iPhone / iPadは基本的な使い方には問題がないので、それだけ使っていると不満はないのですが、Androidのスマホやタブレットを使ってしまうと、デメリットが目立って「Androidの方が良いな」と感じてしまうことがあります。金額的な面も考えると、Androidの方が良さそうに感じます。

また、2023年などになってどう変わっているか、改めて検討してみます。