読み:えっくすえいちてぃーえむえる
Extensible Hyper Text Markup Languageの略称で、HTMLの派生規格として2000年頃に策定(規格を決める作業のこと)されたもの。
HTMLはそれまで、非常に曖昧なルールで記述することができました。例えば、次のような記述も可能でした。
<H1 class=class1>見出し1
この例は、次のような点で好ましくないHTMLの書き方です。
- 要素名が大文字英数字
- 属性値がダブルクオーテーションで囲まれていない
- 終了タグがない
しかし、HTMLのルールとしてこれは問題なく、Webブラウザでも基本的には正しく表示されていました。
データとしての正しさを追い求めたXHTML
しかし、Webという技術が発展していく中で、WebページをWebブラウザ上で「見る」ためだけに使うのはもったいないということで、「データ」として正しい書き方が必要とされてきました。
そこで使われたのが、HTMLと同じようにマークアップ言語してデータの定義に使われていた「XML」です。XHTMLでは、このXMLのルールを踏襲して、次のように厳格に定めました。
- タグの要素名は英小文字とする
- 属性値はダブルクオーテーションで囲み、論理属性の場合も属性値を省略してはならない
- 終了タグは省略してはならない
などなど。このようなルールに厳格に従うことで、Webページをデータとしても正しい理想の姿にできるという考え方でした。
理想を追い求めすぎて、動きが遅すぎた
しかし、XHTMLはそんな理想を追い求めすぎたためか、策定(仕様を決めること)の動きが非常に遅く、XHTML1.1が登場した後XHTML1.2や2.0が遅々として策定されませんでした。
その間、Webの技術はますます発展していく中で、それを表現するための仕様が定まらないことから、AppleやMozilla(後に、GoogleやMicrosoftも参画)はXHTMLではない規格(後のHTML5/HTML Living Standard)を策定します。
こうして、徐々にXHTMLは利用されなくなり、策定をしていたW3Cも策定作業を終了してHTML5の採用に、さらにその後、HTMLの策定作業自体を行わなくなり、WHATWGが策定するHTML Living Standardが標準となりました。
今も残る、XHTMLの精神
とはいえ、XHTMLが掲げていた「データとして正しいHTML」という理想は、今も多くのクリエイタに指示されていて、HTML Living Standardでは例えば、タグの要素名は大文字でも良かったり、終了タグを省略することもできるものの、このあたりはXHTMLのルールに沿って記述するエンジニアも少なくありません。
HTMLのルールと、XHTMLのルールで迷ったときは、XHTMLに従っておくとより良いと言えるでしょう。