ざっくり学ぶ、情報セキュリティマネジメント #8-6

プロトコルの種類

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プロトコルには、さまざまなものがありますが、ここでは代表的なものについて紹介しましょう。

DHCP

Dynamic Host Configuration Protocolの略称で、IPアドレスを自動的に割り振るプロトコルです。

多くのコンピュータをルータに接続する場合、重複しないIPアドレスをそれぞれに割り振るのは非常に大変です。そこで、DHCPサーバーというサーバーを利用してIPアドレスを一元管理し、接続を要求するクライアントに自動的に空いているIPアドレスを割り振る役割をします。

DNS

Domain Name Systemの略で、IPアドレスを「ドメイン名」に置き換えることができます。例えば、「google.co.jp」というドメインにアクセスするとWebサイトを見ることができますが、これはDNSサーバーがIPアドレスに変換していて、実際のサーバーに接続できているためです。

ドメイン名

ドメイン名は、管理費を支払えば誰でも取得することができます。例えば、重複することはできず、基本的には早い者勝ちになります。

ドット記号でいくつの部分に区切られていて、空いているドメイン名を探して取得することになります。

ドメイン名を取得したら、そこに「ノード名」を付加してWebやメールアドレスなどに利用することができます。例えばWebでよく利用されるのが「www.example.com」といったもの。このような、完全なURLのことを「FQDN」と呼びます。

POP3 / SMTP / IMAP4

メールを利用するときに使われるプロトコルです。メールは、受信と送信でプロトコルが分かれていて、送信にはSMTPが利用されますが、受信はIMAP4の他に、POP3という旧来の方法が現在も利用されています。

POP3

POP3は、旧来のメール受信のプロトコルで、多くのメールソフトが対応しています。ただし、パスワードが平文で送受信されてしまい、セキュリティ的に弱いため、安全性を高めた「APOP」や「POP3S」などが実際には利用されます。

IMAP4

POP3に変わるメール受信プロトコルとして利用されているのが、IMAP4です。POP3ではメールを受信すると、サーバーからは消えてしまうため(設定による)、メールソフトにしかメールが残りませんでしたが、IMAP4では基本的にサーバーでメールを管理するため、複数の環境から送受信をしてもメールの未読や既読を含めて同期されるというメリットがあります。

ただし、メールサーバーにメールが蓄積され続けてしまうため、多くの容量が必要となってしまうため、POP3と使い分けられています。

SMTP

SMTPも古くから利用されているプロトコルであるため、「テキストしか送信ができない」とか「なりすましに対して脆弱」と言った欠点があります。そこで、これを補うために「MIME」や「S/MIME」といった、テキスト以外の情報を送受信でき るプロトコルや、暗号化できるプロトコル、「POP Before SMTP」や「SMTP-AUTH」などの、本人認証が可能なプロトコルなどを組み合わせて利用します。

HTTP

文書の送受信に利用されるプロトコルで、Webサイトの表示に使われます。HTTPはTCPの上位プロトコルで、TCPで確立されたリンクを通信終了まで維持し続ける「キープアライブ」という機能を持っています。

また、ユーザー名とパスワードの組み合わせでユーザーを認証する「HTTP基本認証(BASIC認証)」という機能も持っています。

ただし、HTTPは内容を平文で送受信するため、個人情報やクレジットカードの送受信には適していません。そこで、現在では暗号化に対応したHTTPSが利用されます。

FTP

File Transfer Protocolの略称で、ファイルを安定して送受信するために利用されます。送信用と受信用に、TCPコネクションを1本ずつ張るのが特徴です。

ただし、ネットワークの構成によってはこの、受信用のコネクションがファイアーウォールなどに阻まれてしまうため、この場合はパッシブモード(PASV)で接続をすると、通信できる場合があります。

Anonymous FTP

通常、FTPの通信にはパスワード認証が必須です。しかし、ファイルを広く配布したい場合などにユーザー情報を発行するのが手間な場合は、匿名で接続可能な状態にすることができます。これを「Anonymous FTP」といいます。

Telnet・SSH

遠隔のサーバーに、Telnetクライアントを利用して接続し、OSレベルの操作を行うことができます。サーバーコンピュータの管理などに広く利用されています。

参考書籍
令和06年 情報セキュリティマネジメント 合格教本

岡嶋 裕史 (著) / 技術評論社 / 1,980円〜

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